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【お客さまも納得して利益の出る価格設定の3つの方法】

商品・サービス開発

こんにちは、企業価値をTsukuru専門家の赤星宏一です。

日本は9割以上が中小企業です。

しかし、「利益の出ている」中小企業は少ない現状があります。

利益の出ない企業はどれくらいあるのか?

成長企業と潜在的成長可能性の高い企業の実態把握の考え方を示したものが下図です。

収益力が高く稼げる企業を頂点とし、その次に潜在的成長可能性の高い企業が位置しているという図です。

収益力や成長性の向上ということを課題とした場合に、これらの企業の間には、成長への制約要因が存在していることが考えられます。

 ※2016年度中小企業白書より

制約要因の1つが、「適正価格制約」であると考えます。

企業が持続的に発展し、収益性を確保していくには、中長期的な視野に基づいて個々に見合った適正価格を提示することで、企業の成長基盤の基礎をつくるのです。

※2016年度中小企業白書より

少し古いデータですが、平成28年度の企業活動基本調査を加工したものです。

製造業、非製造業とも約2割の企業が「稼げる企業」として位置づけられています。

つまり、残り8割程度が「稼げていない=十分な利益が出ていない」のです。

この2割に入るためには、どのような方法があるのでしょうか。

価格設定の基本的な考え方3つ

その前に価格設定法を簡単に示します。

1)コスト基準

製造コストを基準に価格を設定する方法です。

多くの企業はこの方法で価格を提示しています。

しかし、この方法は、次の欠点があります。

①ものの市場ニーズ、競合との関係が価格に反映されにくい。

②儲けだけの価値しかわからない(モノの本質的な価値は度返し)。

③原価がどんぶり勘定だと、十分な儲けが出にくい。

そこで、「利益」を加えて価格を設定する方法がとられます。

開発投資に加え、製造原価と販売コストに利益を加える方法です。

更に、目標利益(損益分岐点)を使う方法もあります。

しかし、欠点である「お客様視点でない」ことは解消できず、「自社中心」の価値設定の方法です。

2)競合基準

競合他社が設定した価格を基準に価格決定する方法です。

後発企業となれば、すでに市場で認知されている価格を下回ることが原則になっています。

利益の出しにくい現状があります。

もし、自社の製品が他社と差別化ができれば、他社よりも高く価格設定できます。

しかし、際立った違いがなく競争力が低いと、他社よりも安く設定しなければなりません。

つまり、価格競争になります。

だから、どの企業も「差別化」を重視します。

3)マーケティング戦略基準

マーケティング戦略を軸に適正価格を確定し、十分な利益が得られるようコストダウンを図る方法です。

これも、多くの企業が取り組んでいます。

また、あえて価格に差別化して「高い商品は良い商品」という顧客の心理を使うこともあります。

これらの3つの価格設定法は、王道です。

しかし、多くの企業が稼げないのはなぜでしょうか?

方法1:競合との差別化をする

それは、「競合との差別化」方法が間違っているからです。

競合基準であれば、「差別化」は最重要課題です。

なぜ、自社の製品は「差別化できている」といえないのか?

それは、顧客の顔色を見すぎるからです。

顧客が買うときめるので、顧客の意思を尊重することは重要です。

当然です。

しかし、「顔色」の見方が間違っているから、差別化がはっきりと示せていない企業が多いのです。

お客様は、御社の製品に何を期待しているのか?

それをはっきりさせなければなりません。

コストダウン

性能向上

信頼性向上

耐久性向上

安全性向上

機能付加

など、どのようなことがしたいのか?を明確にしましょう。

顧客のしたいことがコストダウン以外ならやりやすいです。

顧客が、御社に「期待している」ために話を聞きたがっているからです。

しかし、価格は据え置きたいという願望もあります。

やはり、コストに関しての要求が強いと考えます。

そこで、VA(価値分析)です。

本来のVAとは少し異なりますが、応用例として考えてください。

①使用者視点で、使用者が「良い」と感じることはなにか。

②顧客が求める機能の達成レベルとコストを考慮すること。

③現状のモノに囚われず、創造的思考により積極的に変更すること。

この3つの価値を分析し、顧客が求めるモノを提供するという「差別化」を図るのです。

方法2:正しく伝える

しかし、「差別化」を正しく伝えなければ「コスト」「変更リスク」に負けてしまいます。

既存品のメーカー変更は、顧客側の設計者にとっては大きなリスクです。

また、価格UPは調達担当としては「考えにくい」ことです。

価格が、半分で機能維持するぐらいでなければ、変更は勝ち取れないのが現状です。

また、社会情勢(例えば、運賃値上げ)が明確でなければ価格UPは勝ち取れません。

残念な話ですが、現実です。

では、どうすれば設計者・調達担当者の後押しができるかを考えます。

それは、

「使いたい」と思わせることでです。

それが「正しく伝える」ことなのです。

いくら良い価値分析をしても顧客が使いたいと思わなければ、無意味です。

そこで、次の2つの方法を行います。

①顧客の目的に対して、「結論→理由→根拠」で示す。

②顧客の不安を「解決できる」方法を提案する。

これだけです。

①は、「使うべき理由」の説得力を増して、伝えます。

②は、コストUPに対する提案です。

例えば、他の製品と抱き合わせ販売したり、中長期的なコストメリットを示すなどです。

正しく伝えることで、お客様は納得していただける「協調」を目指してください。

方法3:値上げを提案する

今ある製品・商品の値上げは厳しいです。

当然、競合も入ってきやすくなります。

しかし、利益を確保しなければ、継続してサービスや商品・製品を提供できなくなります。

一次的にモノのコストを下げると、今まで密にしてきた顧客訪問が減り疎遠になることや、他社へシフトすることでの対応力低下など、お客様がデメリットが必ず発生することを理解してもらわなければなりません。

顧客が求めていることは、現状維持ではなく「向上」です。

なぜなら、顧客にも「競合他社」がいるのです。

そのため、顧客もコストダウンといったレッドオーシャン戦略へ移行していく傾向があります。

ただ、このレッドオーシャンではコスト競争がメインになります。

そこで、ブルーオーシャン戦略をとることも考えますが、顧客ありきのためできません。

結果、顧客に依頼されたコストダウンという流れが主流となります。

そこで、提案するのは、「顧客の中で小さなブルーオーシャンを作る」です。

つまり、顧客に対して顧客の製品価値を向上するモノを提供する提案をするのです。

この提案により、自社の価値は高まり、価格アップを勝ち取れます。

まとめ

ビジネスは、顧客がいる市場規模・環境により戦略は異なります。

3つの視点で共通するキーワードが、「使ってみたい」です。

いつまでも使ってみたいと思わせることこそが、モノづくり価値を高めていくのです。

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