儲からない会社の困りごと~計画遭難しない3つの仕組み

Lifeキャリアアップ

こんにちは、企業価値をTsukuru専門家の赤星宏一です。

2013年に技術士(Professional Engineer, Japan (P.E. Jp))を取得しました。

技術士とは、「科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある最高位の国家資格」です。

プロジェクトマネジメントを5つの視点でマネジメントする技術士(総合技術監理部門)を2017年に取得しました。

モノづくりで、実践してもプロジェクトが暗礁にのりあげ、いつまで経っても完了しない企業様向けに「計画遭難しない3つの仕組み」を紹介いたします。

中小企業の競争力向上になるプロジェクト成功確率が上がることを願っています。

本記事をおススメする方

・モノづくり中小企業経営者の方

・モノづくりは得意だけど、人材マネジメントが苦手の中小企業経営者

・モノづくりを誰かに任せて、経営に集中したい中小企業経営者の方

遭難救助の提案

提案の前に、原因を把握します。

当てはまるものが、1つでもあれば「遭難注意」です。

・経験では、「いける」と感じている。

・ざっくりとした提案で、意思疎通できていない。

・計画の具体的な基準があいまい

・問題が起これば試行錯誤で、どうにかする(事後保全)。

・結果しか知ろうとしない。今どうなっていても、思いついた時しか聞かない。

・目的が「やること」「仕組みなどを導入すること」にすり替わっている(いつの間にか変化している)。

当てはまるものがあれば、遭難注意です。

では、どのようにして計画遭難を回避するのか?

それには、次のステップを踏みます。

STEP1: インプットをあいまいにしない

まずは、経営者が「組織」をどうしたいのか?具体的なゴールを設定・共有することが重要です。

計画はあくまでも、進捗を管理するためのツールです。

計画を立てることを目的としているから、計画を立てたら「よろしく」となり進まないのです。

計画のまえに「明確なゴール設定」をします。

ゴールも「こうなればいいな」ではなく、具体的な「数値」「解決策がおおよそわかっているレベル」まで落とし込むことです。

経営者・指導者・管理者は、この設定をあいまいにするために、計画が遭難するのです。

では、具体的に考えましょう。

「自動化設備にする」という方針が出たとします。

インプット情報として、5つの想定が必要です。

①なぜ、必要なのか?

 省人化して、人を新事業に移動させたい。

②いつまでにすべきなのか?その経営的根拠は?

 1年間で試験運転、その3か月後には今の生産量120%。

 20%UPにより4→3人となり、1人を1年後には新事業へ。

 新事業では、○○といった市場規模が見込めて、当社の得意技術を活かせる。

③どのようなゴールを想定しているのか?

 自動化設備は〇、△、×。これを3人でリアルタイム生産監視・不具合予知・設備異常監視ができるようにする。

④そのゴールへ向かうには、なにを行えばいいのか?

 〇、△、×のカスタマイズ性・互換性調査。

 費用対効果の予想(実現性)。

 新情報調査

 など・・・ 

⑤制約条件(人・設備・お金・方法)は何があるのか?

 人員工数

 設備改修有無

 事前コスト

 教育

 など・・・

経営者や上司は、このレベルまで、誰が見ても分かるところまで落とし込まなければなりません。

そこでようやく、次のステップ「階層化」になるのです。

STEP2:階層化して工程と時間を視える化する

インプットを視える化する計画を立てる「骨子」です。

業務テーマ「自動化」

必要性「省人化して、人を新事業に移動させたい。」

業務のゴール「自動化設備は〇、△、×。これを3人でリアルタイム生産監視・不具合予知・設備異常監視ができるようにする。」

活動方針「〇、△、×のカスタマイズ性・互換性調査。」「費用対効果の予想(実現性)。」「新情報調査」など・・・ 

各活動方針を実施する上での制約「人員工数」「設備改修有無」「事前コスト」「教育」など・・・

詳細作業・・・・・・・

詳細作業の小さなゴール・・・

課題解決・・・

同時に、計画スケジュールも並行して立案します。

この階層化で役立つツールが、ブレインストーミング(ブレスト)とMECEの組合せです。

ブレストのように思いつくままに項目を挙げていくことも大事です。

しかしこの段階では、これらの情報で本当に必要十分なのかが不明確になりがちです。

挙げられた項目で十分なのか、抜けている項目がないか、よく見ると内容が重複しているものがないかを見極める行為が「MECE」です。

MECE(ミッシー「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略)の意味は次の通りです。

Mutually(お互いに)

Exclusive(重複せず)

Collectively(全体に)

Exhaustive(漏れがない)

つまり、「お互いに重複せず、全体に漏れがない」ということです。

物事を整理する時、ある部分が重複していたり、逆に抜けてしまったりすることは往々にしてありますが、抜け漏れをできる限りおさえるための基本がMECEです。

初めてだと簡単ではありません。そのため整理整頓する方法が必要です。

整理整頓する切り口はたくさん持つことが重要なポイントです。

〇と△以外で考えてみる

接触式センサと非接触式センサ

動画と静止画

〇と△をプロセスの階層に当てはめてみる

  詳細作業と制約など・・・

論理式(大小)で表してみる

  信頼性 非接触<接触

という感じです。

STEP3:情報共有の旗振り役を設ける

いくらよい階層化ができても実行の進捗管理や意思決定段階が曖昧であれば、計画は遭難します。

そのためには、ルール化が重要です。

例えば、1段階ごと、項目ごとに振り返りを行う。その振り返りを形式知化しておくことで振り返りの振り返りを無くす。

大きな会議を開くことはなく、

小さな出来事を積み上げていくことをしてください。

誰かがいないと、会議が開けない・・・

というのはNGです。

担当と旗振り役が状況把握と今後の活動を打ち合わせ、旗振り役が、全体進捗を管理します。

管理するには、フォローが重要です。

まとめ

本にも書いてあるようで、聞いたこともある内容だと思います。

でも、実際にはできていない状況があります。

だから何度も伝えようと考えました。

なぜできないか?

計画はフォローしてこそ活きるのです。

フォローができない、「なんちゃって」管理職ばかりでは従業員が遭難してしまいます。

外部にはできる人がいます。

経営陣は、早く気付くべきです。いつまでもジレンマから解消されません。

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